エピローグ

 

おお・・・箱が開いた!
・・・思い出したぞ、母から口伝えで教わった、うどん打ちの基本を。
そして、このうどんを食べた人の、楽しげで幸せそうな笑顔を。
 
これで、また美味しいうどんが打てる!
ありがとう!
ありがとう!!!
 
 
秋川流域に伝わる引きずり出しうどん、ぜひ食べていってください。
 
 
 

 
よかった、本当に良かった。
これで、初後亭と秋川流域のうどん文化の未来も守られた!
 
 
 
それにしても、アルセーヌ・ジノーのやつめ・・・ヤツが誰に依頼されたにせよ、 おそらく、この盗みは最初から未遂で終わらせるつもりだったな。
 
 
(そうですね、途中から、「さあ、謎を解くんだ!」ってジノー自身が言ってましたもんね 笑)
 
 
・・・失いかけて初めて気付く大切さ、というものがある。
 
 
科学技術が進歩して、社会がより効率的に便利になるにつれて、逆にシンプルで身体的な感覚やその土地に根ざしたリアルなもの、小さなコミュニティ、行為に込められた意味や思い、といったようなことが私たちを惹きつけるようになる。
 
 
本当に価値があることは効率ではない、と気付くんだ。 今日を通じて、我々も多くのことを学んだ気がするよ。
 
 
ジノーに盗みを依頼したのが誰だかわからないが、おそらく初後亭の成功を妬む誰か、もしくは競合するどこかの店か・・・しかし、その思惑とは裏腹に、今回の記憶の盗難未遂事件が未来の世界で報道されると、初後亭が守ってきたポリシーや食文化はますます評価が高まることになるだろうな。もしかすると、ジノーはこの盗みをわざと未遂で終わらせることで、逆に清水さんと初後亭の評判を上げようとしたのかもしれない。・・・ジノーは大のうどん好きらしいんだ。
 
(似合わないですね 笑)
 
 
まったく、ヤツは悪人なのか正義の味方なのか、よくわからんよ。 ・・・やり方は気に食わないがな!
 
いつか捕まえて、じっくり話してみたいものだ。
 
 
 
 
 
あっ!ジノー・・・
 
 
 

 
 
 
また会おう。
 
私は未来に戻って、美味しいうどんでも食べることにするよ・・・。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
東京裏山大自然ナゾトキ
〜アルセーヌ・ジノーと時空探偵編〜
 
[完]
 
  
企画・制作
 
Special Thanks to
▶︎ 初後亭